MaydayArt

Shusuke Inaba's Blog

アブラハムの子

アブラハムの子

うすうす感じてはいたのだけれど、
日曜日にベッドに入ってから、寒気がおそってきた。
風邪をひくような生活はしていないはずなのに、
ほんとうにあきれるけれど、しかたない。
今は、だいぶマシにはなったけれど、
まだカラダは熱いし、ぼーっとしている。

台風の影響で昼過ぎに帰ってきてから、
なにかする元気もなくて、ソファで横になっていた。
きゅうりを食べてみたけれど、
舌がおかしいのか、食べられない。
そのおかげで、今朝、体重をはかったら、
とうとうBMIが肥満1から普通体重になっていた。
ちょっとの差なのと、やつれただけなので、
またもどるとは思うけれど、とりあえず喜んでおきます。

ずっとソファで横になってても退屈なので、
(本を読むほどの元気はないので)マンガを3冊読んだり、
Youtubeで見逃していた芸人さんの動画をみたりしていました。

今日も、「MaydayArt」に来てくれてありがとうございます。
どうかあなたに健康と幸福がありますように。


みにくいアヒルの子 6

 兄弟までこの哀れな子アヒルに無慈悲につらく当って、
「ほんとにみっともない奴、猫にでもとっ捕まったほうがいいや」
 などと、いつも悪体をつくのです。母親さえ、しまいには、ああこんな子なら生まれないほうがよっぽど幸せだったと思うようになりました。仲間のアヒルからは突かれ、ひよっ子からは羽でぶたれ、裏庭の鳥たちに食物を持って来る娘からは足で蹴られるのです。
 たまりかねてその子アヒルは自分のすみかをとび出してしまいました。その途中、柵を越えるとき、垣の内にいた小鳥がびっくりして飛び立ったものですから、
「ああ、みんなは僕の顔があんまり変なもんだから、それで僕を怖がったんだな」
 と、思いました。それで彼は目をつぶって、なおも遠く飛んで行きますと、そのうち広い広い沢地の上に来ました。見るとたくさんの野鴨が住んでいます。子アヒルは疲れと悲しみになやまされながらここで一晩を明しました。
 朝になって野鴨達は起きてみますと、見知らない者が来ているので目をみはりました。
「一体君はどういう種類の鴨なのかね」
 そう言って子アヒルのまわりに集まって来ました。子アヒルはみんなに頭を下げ、できるだけうやうやしい様子をしてみせましたが、そうたずねられたことに対しては返答できませんでした。野鴨たちは彼に向かって、
「君はずいぶんみっともない顔をしてるんだねえ」
 と、言い、
「だがね、君が僕たちの仲間をお嫁にくれって言いさえしなけりゃ、まあ君の顔つきくらいどんなだって、こっちはかまわないよ」
 と、つけ足しました。
 かわいそうに! この子アヒルがどうしてお嫁さんをもらうことなど考えていたでしょう。彼はただ、蒲のなかに寝て、沢地の水を飲むのを許されれば、たくさんだったのです。こうして二日ばかりこの沢地で暮らしていますと、そこに二羽の雁がやって来ました。それはまだ卵から出ていくらも日の経たない子雁で、大そうこましゃくれ者でしたが、その一方が子アヒルに向かって言うのに、
「君、ちょっと聴きたまえ。君はずいぶんみっともないね。だから僕たちは君が気に入っちまったよ。君も僕たちと一緒に渡り鳥にならないかい。ここからそう遠くないところにまだほかの沢地があるがね、そこにゃ、まだ嫁かない雁の娘がいるから、君もお嫁さんをもらうといいや。君はみっともないけど、運はいいかもしれないよ」


今日のダーリンより

対談のときにも話していたことだけれど、
幡野広志さんの文章に最初にふれたのは、
ひとりでラーメンを食べに行ったときだった。
ぼくはこだわりの人ではないから、
ラーメンはひとりにかぎるなどとは言わない。
何人かで行ったこともあるし、ふたりで行くこともある。
ただ、ひとりで行くほうが圧倒的に多い。
だれかと行っても、話もできないというのも理由である。
食べに行こうと思いついてから、
食べようと思うラーメンが決まったらそこに行くのだが、
そこまでの距離が近くはなかったりする。
食べ終わるのに10分もかからないラーメンのために、
電車を乗り継いだりタクシーに乗ったりすることには、
ちょっと気軽に人を誘いにくい。
しかも、行列のできる店なら待ち時間だってある。
だからどうしてもひとりで行くということになる。
だれにも遠慮も気兼ねもいらないということが、
ひとりで行動することのいいところだ。
それをしばらく続けられるのが、ひとり旅なんだけどね。

ひとりだから、ラーメンを食べに行くときに、
なにか読むものがあると、よくしみる。
だれと話すこともないのだから、まじめにそれを読む。
たまたまだ、そこで幡野さんのブログに読んでしまった。
会社の椅子に腰かけて、いつものディスプレイで、
いつものようにネットのリンクを辿っていたら、
「これは、ちょっと、あとでゆっくり読もう」
というふうになってしまったような気がする。
ちゃんと読まなきゃいけないという気持ちは真摯でも、
それをあとでほんとうに実行するとはかぎらない。
ラーメン屋の行列のなかで、ぼくは、
それをすぐに読む姿勢になっていて、読み続けた。
ただひとりで、書かれた文章に向かい合った。
読んでいて、どうしようとか思うような文章だった。
こっちのひとり、つまりぼくのほうに指先が向いている。
そんなふうに思えたのも、ひとりだったからだと思う。

つまりその、たまにひとりでラーメン食べに行くのは、
いろんないいことがあるぞ、ということなのである。
ひとりでやること、きみにもぼくにも、いっぱいある。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
このことに関しては、「とんかつ」はちがうんだよなぁ。

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